川崎競馬厩舎訪問 〜小向トレセンにようこそ〜 2013/8 飯田幸雄厩舎


◇この記事は川崎競馬馬主協会ニュース 2013年8月号に掲載されたものです◇



小向トレセン厩舎訪問で最初に登場していただくのは昨年秋に開場した川崎で一番新しい飯田幸雄厩舎。 たった今、事務所にいたかと思えば、いつの間にか厩舎で作業をしているといったように、とにかくマメに厩舎内を動き回っている姿をお見かけする。 キビキビとした抜群の機動力こそ飯田調教師の真骨頂といえるだろう。

東京都出身の42歳。
「馬のいる環境で育ったわけではありませんが、小学生のとき三宅島の観光牧場にいって初めて馬に乗った楽しさがいつも心のどこかにありましたね。 高校の途中で父親が倒れて、その病室のテレビに競馬中継が流れていた。それを見たときに高校やめて家計を支えるなら騎手の仕事をしたいというのが夢になりました」 と決心するや行動開始!  高校を2年生の冬にやめると、まずは馬のことを知ろうと求人雑誌に載っていた千葉の牧場に飛び込んだ。
牧場で仕事をしながら中央競馬の騎手試験を受験したのが19歳の時。 「二度受けて不合格。だんだんと牧場の仕事も面白くなってきていた頃で、次は北海道の馬産地のことが知りたくなった。 興味をもつと居ても立ってもいられなくなる性格なので、2年間で3箇所を転々としました」と飯田師がその次に門を叩いたのが道営競馬の厩務員。 これも求人雑誌を見ての飛び込みだった。
「同じ厩舎に池田孝調教師お母さんが働いていて池田先生(当時は厩務員)のいる川崎に行きなさいと勧めてくれた。 ちょうどドルフィンボーイがクラシックに挑戦している頃でそれはもう刺激的な現場でした」と川崎にやってきたのが23歳の時。
「今の位置で留まらないで、常に上を目指せ!という池田先生の言葉がいつも頭の中にあって調教師の道を考えるようにもなりました」と30歳で調教師補佐になり、 そして昨年調教師として歩み出した。

「行動力だけは自信があります! こうでなければという型を決めずに、馬と相談しながら自分がこれまで学んできた引き出しを開いていく。 馬もスタッフも、訪ねてくるオーナーにも居心地のいい厩舎にしていきたい。コストをかけずに馬が順調に過ごせるあたり前の環境を作ること。 それが結果を出す近道だと信じています」とやる気に満ち溢れている。

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