ローレルから翔く乙女たち
― 11月13日 第14回 ロジータ記念 ―
結果はコチラ
― 12月3日 第3回 ローレル賞 ―
結果はコチラ
◆ マルダイメグ ◆
 父フジキセキ 
 母マルダイルビー
牝3歳 鹿毛
2000年3月24日生
調教師●佐々木仁
馬主●(有)栄光開発
騎手●的場文男
厩務員●林 宏史 
生産者●澤田嘉隆
 「休み明けになるし、この距離も厳しいかという面もあったから驚いた。それもまさか逃げるとは。的場騎手の判断に感服するよ。スローに落として、うまい具合に逃げてくれた。それに応えるメグの勝負根性も素晴らしい。相手なりに走ってくれるのが魅力」と佐々木仁調教師は、的場文男騎手の好騎乗とひと回り周り逞しくなって帰ってきたマルダイメグを誉めたたえた。ローレル賞を制し、クラシックへ挑む半ばでリタイアしなければならなかった春が改めて悔しい。 
 「根性で走る馬」。マルダイメグのことを関係者は口を揃えてそう評する。入厩した当時は気性面が勝ってまともに調教すらできなかった。キャンターにいこうとすると止まってしまう。 走ることからひとつひとつ教え込んでいくしかなかった。「母のマルダイルビーの調教をつけたことがあったが、よく似たところがある。気性は強いが馬体が柔らかくてね」。
 初めて砂を被った新馬戦。好時計で初勝利を手にした2戦目。それから3連勝で戴冠したのがローレル賞の大輪。桜花賞へ挑んだが初馬場にスムーズさを欠いて4着。その後ヒザ骨折が判明し、長期休養を余儀なくされてきた。
 7ヶ月半。この長きにわたった調整は予想以上に馬体面、それ以上に精神面を成長させていた。
 「トモの筋肉がのってこなくて帰厩が遅れていたが、10月23日に戻ってきて30日には調教試験。たしかに馬は全体的にひと回り大きくなって帰ってきたが、目標にしていたロジータ記念に出走させるにはもう少し乗り込んでおきたいというのが正直なところだった。たしかに行く馬が出遅れたりと恵まれた面もあった。乗り役の好判断でああいうレースになった。4コーナーまわるあたりで、このままガマンしちゃうんじゃないかと思ったよ。馬体はこれからまだ良くなるだろうし、精神面に落ち着きが出てきたのが収穫」
 このあとは東京湾カップ。かなりの好メンバーが揃いそうだが、「男馬相手にどこまでやれるか試してみたい。このレースぶり次第ではTCK女王盃を目標にしていきたい」。
 マルダイメグはまだまだ進化し続ける。
◆ビービーバーニング◆
 父バブルガムフェロー 
 母ラプチューン 
牝2歳 栗毛
2001年4月11日生
調教師●武井榮一
馬主●(有)坂東牧場
騎手●甲斐年光
厩務員●古澤 清英 
生産者●サンバマウンテンF
 「前走のことがあるからスタートだけが心配だった。出てさえくれれば不安はなかったから」と断突一番人気という重責にホッとした表情を見せる武井榮一調教師の第一声。心配にはおよばずポンと出るとあっさり先頭に立ち、そのままゴールイン。ビービーバーニングは圧倒的な強さを見せた。しかし、その実、「直前になって気になるとこがあって寝ずの番で仕上げてきた。さすがに胃が痛くなったよ」という出避ギリギリの選択があった。それがGOサインから自信へと変わるのにそう時間は掛からなかった。
 これが初重賞制覇となった甲斐年光騎手。「馬に勝たせてもらったという感じです。スタートしてすぐ『勝てる』と思いましたよ。周りからオレがハナに行く宣言をされてプレッシャーを感じていたらナンテことない。出てみればこの馬の速さに改めて驚かされることになりました。1600mという距離とまだ若馬で一頭になるとフワフワしてしまうので抑えめにレースを進めました。まだ弱い部分ありますから、鍛えていけばもっともっと強くなる馬だと思います」。デビューから11年、待望の瞬間を迎えた。
 「道営にいったん入厩した経緯があるが、道営ではすでにOP馬相手に攻め馬をこなしていたと聞いている。わーっと言うほどの目立った跳びではないんだが、それでも他の馬が53秒のところ、51秒切って動いてしまう。たいしたもんだよ。腰がしっかりしていてバランスいいこの馬体からも期待している」。馬なり48秒7という破格なタイムをマークした時点で武井師はこう言っていた。そして今季から実施された1400mの新馬戦にぶつけてきた。デビューから三戦三勝。今だ影を踏ませていない。 「デビュー戦はスタートそう良くなかったが、そこからが速かった。追ったところなかったね。2戦目は一完歩目出たとこでガクンとつまづいてドキッとしたが、馬なりであっという間にハナに立った。直線も突き離したが、気合いつければもっと伸びただろう。ローレル賞はテンに速い馬もいたから逃げにこだわらない気でいたがあっさり先頭。すでに完成品といえるが、あとは体力的な面を増強していきたい」。次走は東京2歳優駿牝馬、そして京浜盃挑戦というプランもある。
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